睡眠が脳を活性化させる

高度に発達した人間の脳は、非常に繊細な神経伝達回路を持ち、全エネルギー消費量の18%も使うほどハードワークをこなしています。しかし、連続的に使用すると機能低下を起こし、損傷すると正常な精神活動や生命活動が行なえず、生命の危機に瀕することになります。そこで、機能の低下した脳をリペアする機能を担うのがノンレム睡眠です。新生児のレム睡眠が動睡眠と言われるのに対し、こちらは「静睡眠」と呼ばれます。この睡眠は、大脳がある程度発達してから出現すればいいので、妊娠半ばあたりから出現します。このため、「第2の睡眠」とも言われています。新生児から幼児にかけて、大脳の発達が進み、覚醒時間が増えると、ノンレム睡眠の出現量が増大し、レム睡眠量は相対的に減少します。そして、大脳が発達すると、2種類の睡眠は、協調しながら脳が壊れないように守るのです。ノンレム睡眠の睡眠深度は4ステージに分かれますが、もつとも深いノンレム睡眠は、脳が高度の統御機能を備えるようになってから開発された新技術とされています。脳が就寝前にどれだけ覚醒していたか、フィードバック信号を元にして、睡眠不足を解消するために作り出された眠りとも言えるでしよう。